'70 アテンションプリーズ研究
ロケ地 探訪
〜鹿児島編2〜
卓球の練習をしている春子ちゃん(深沢裕子)
美咲洋子(紀比呂子)がその様子を見守っていると突然春子ちゃんがコーチに、
わたしには卓球が向いていないんです。素質がないんです。
と言い、卓球部をやめると宣言する。
「おまえは素質がある。問題はやる気だ。根性だ」とコーチが諭しても
誰が何と言っても卓球部をやめますと言い切る春子ちゃん。
それを体育館の陰で見守っていた美咲洋子。
春子ちゃんダメよ!素質がないからって途中で逃げ出すなんて!
素質がないからって途中で逃げ出すのは美咲洋子自身のことでしょう!
例外なくすべての視聴者がここでのツッコミ役、
上條逸雄の古典的ながらもよく計算されている脚本である。
洋子が学校帰りの春子ちゃんを誘って向かった先は、観光名所としても名高い仙巌園。
通称「磯庭園」である。ここはかつて薩摩藩主 島津家の本邸だった。
歴史的にも貴重な建物であり、この庭園から見る桜島は美しい。
第11回放送分、磯庭園のシーンでは洋子が卓球をやめないよう春子ちゃんを説得をする。
苦しいから辛いからといって一度決心したことをあきらめちゃだめよ。
と春子ちゃんに説教をするが春子ちゃんはこれに反撃。
なによ、偉そうなこと言って!姉さんだってスチュワーデスになるのをやめたじゃないの!
走り出す春子ちゃん、それを追う美咲洋子。
そんなシーンの中でもさりげなく磯庭園の風景が紹介される。
磯庭園の次のシーン。
美咲洋子と春子ちゃんが訪れた時には工事中だったスタジアム。
撮影から2年後の昭和47年、鹿児島「太陽国体」がここ鴨池陸上競技場で開かれた。
ロケ地巡りをしていて思うことがあった。
2008年のNHK大河ドラマ「篤姫」は人気が高く、その影響で鹿児島への観光客は激増していると聞く。
篤姫のロケ地巡りをする観光客の姿も多く、磯庭園には篤姫の撮影で使われた場所が
写真付きで解説されていた。
人気があるドラマであればあるほどファンとしてはそのロケ地に行ってみたくなるのは当然の成り行き。
では日本国内のロケ地で"最強"、"ナンバーワン"のロケ地はどこだろうと考えた。
何を定義するかによって判断は難しいがもちろん撮影規模や人気による事は間違いない。
ナンバーワンはキムタク主演の高視聴率ドラマのロケ地?
いや、ハリウッド映画が日本でロケをした場所?
舞台が日本であり、世界的な知名度があり、かかった予算も莫大・・・
国内最強ロケ地巡りナンバーワン!?をあえて決めるなら、それは
1967年のイギリス映画「007は二度死ぬ」かもしれない。
当時としては破格の900万ドルの予算、舞台は日本、007の知名度、人気度も高い。
日本からはボンドガールとして浜美枝、若林映子、そして日本の諜報機関のボス役に丹波哲郎。
そのロケの重要な舞台のひとつが鹿児島であった。
磯庭園は島津家の本邸であったがこちらは別邸として使われていた建物である。
2008.11.7