15畳ある座敷は薩摩藩の中では最も大きな間取りである。
中央に床の間を配置するのは薩摩藩独自の造りだそうだ。
床の間は薩摩藩独自の造り。この掛け軸は叔父と叔母、叔母と春子ちゃんが
会話しているシーンの背後に映っていた掛け軸である。
昭和45年8月。
所狭しと置かれた照明などの撮影機材、忙しく動き回るスタッフや紀比呂子、藤田進ら出演者。
撮影終了後の夕食、酒盛り・・・白雲荘でのロケ風景が思い浮かぶ。
大正時代のクラシカルな電灯は当時のまま。
柱の"釘隠し"として焼き物(白薩摩)が使用されている。
白薩摩は島津家の厳重な管理のもと、海外に輸出された。芸術品としてヨーロッパでの評価は高く、
薩摩藩が軍備の近代化を進められたのもこの白薩摩の輸出によるところが大きい。
白薩摩は天皇や将軍家への献上品として重宝され、国内では手に入らない高級品でもあった。
武家屋敷特有の低く作られた鴨居には刀傷が残っている。
白雲荘の庭。甲突川の沿岸この一帯は武家屋敷が点在する地区だった。
大正時代に増築された白雲荘の洋館も現存。
当時は母屋と廊下で繋がっており応接間として使われていた。
武家屋敷に洋館が増築されるというのは非常にめずらしい形態だそうだ。
壁には桜島の溶岩石を使用、第10回の放送で叔父と美咲洋子が
庭で話しているシーンの背後に、この洋館の壁が映っている。